PROFESSIONAL POINT
プロが教えるスパイスづかい
「野田」野田雄紀
東京・原宿エリアの明治通りから一本入った路地裏に構える「野田」。季節の食材を生かした和食をコースで提供するといえど、出汁にクミンの香りを合わせるなど、固定観念に捉われず、時に果物やスパイス、ハーブを加えて自由にアイデアを形にする。
実は、現在の日本料理を提供するスタイルになったのは2023年10月から。以前は同じ場所で「kiki harajuku」として12年間フレンチ料理を提供していたから驚きだ。もともと日本料理が好きだったという野田雄紀シェフは、和食の技術を学ぶため日本料理店に修行し、伝統的な技法を習得。約3年後、店名も内装も刷新し、晴れて和食の店として生まれ変わった。
「本来和食ではスパイスやハーブは主だって使うことはあまりないのですが、料理に広がりを持たせるためや、仕上げに塩を振るような感覚で、スパイスやハーブの香りを移したオイルを垂らし、味の決め手にすることがあります。」
SPICE
野田雄紀シェフのスパイス使い
「店では自家製のノンアルコールドリンクにもよく使います。スパイスが加わることにより、複雑味と奥行きがでます。例えば赤ワインをイメ―ジしてブルーベリーとクローブを合わせるなど、ワインの味構成でいうハーブのような要素を表現するために使います。」
STORAGE
その日使う分は、小さな密閉容器に分けて保管
「その日に使用する分は小分けにして、料理を提供する直前で挽いて香りが立つようにしていますが、基本的には袋にいれて保管をしています。こちらは、本来医療用として使われている密閉容器ですが、サイズ感もちょうどよく気に入っています。」
常備スパイス
クミン・コリアンダー・ブラックペッパー
「和食でもスパイスはよく合います。実はかつお出汁にクミンがよく合うんです。あと黒胡椒は好きで、醤油に漬け込んで肉にかけたり、スパイス醤油にして刺身と合わせたりするのもいいですよ。」