PROFESSIONAL POINT

#122

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PROFESSIONAL POINT

プロが教えるスパイスづかい
「DELHI」田中源吾・田中源

1956年創業、東京・上野に本店を構えるインド・パキスタン料理専門店「デリー」。戦後まもなく、本格的なインド料理を日本に紹介した先駆けとして知られ、現在も「カシミールカレー」や「インドカレー」など、時代を越えて愛される味を提供している。

インドは広く、地域によって扱うスパイスは大きく異なる。

「場所によって、使うスパイスがまったく違うんです。南インドではナツメグはあまり使わないけど、逆に北インドの肉料理では使ったりする。つまり、スパイスには地域性があるんです」

デリーのカレーも、そうしたインド各地のスタイルを尊重しながら、あくまで「日本のひと皿」として完成させることを目指しているという。

「現地の味を損なわないこと。そして、日本の水や米、気候に合うこと。その両立を大切にしています」

SPICE

DELHIのスパイス使い

DELHIのスパイス使い

「DELHIのカレーは、まずコリアンダーとクミンで基本の骨格を立てるところから。そこからどのスパイスを足すか、引くか。全体の調和がうちのやり方です。特定のスパイスが前に出すぎないから、常連さんはもちろん、カレー通以外の方にも『DELHIのカレーが好き』と安心して食べてもらえる味になると思っています」

STORAGE

容器に合わせて棚を作る

DELHIのスパイス保管棚

「よく使うスパイスは、大体26種類くらい。長年販売されている定番の容器にいれています。安定して手に入るし、使い勝手もいい。上野も銀座も湯島のアトリエも、全部同じケースで統一していて、棚も全店この容器の幅に合わせて設計しました。こうすれば、どの店舗でも同じように使えるし、買い足しも簡単。管理がとてもスムーズです」

常備スパイス

コリアンダー

DELHIの常備スパイス コリアンダー

「どんなカレーにも、必ずコリアンダーは使います。香りが強いわけじゃないんですけど、入れるだけで不思議と全体がまとまるんですよ。個性の強いスパイス同士でも、コリアンダーを少し加えるだけで一気にバランスが取れる。派手に香らせず、全体のまとまりを大事にするDELHIだからこそ、初代社長の頃からずっと欠かせない存在です」

教えてくれた人

田中源吾・田中源

「DELHI」オーナーシェフ

田中源吾さんは「デリー」三代目社長。料理長・取締役を経て2001年に社長就任。上野本店、銀座、湯島の各店を統括。田中源さんはその息子で、1984年生まれ。2013年にインドで修業を積み、現在は常務取締役として「アトリエデリー」で年間100種以上のカレー開発を担う。