PROFESSIONAL POINT

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PROFESSIONAL POINT

プロが教えるスパイスづかい
「シェ・イノ」古賀純二総料理長

東京の老舗グランメゾン「シェ・イノ」で、正統派フランス料理を追求し続けて 40 年目を迎える古賀純二総料理長。長年のキャリアの中でも、常に妥協のない姿勢で料理を探究する原点は「大事な人に食べてほしい」という思い。「若手時代、初めて 1 から 10 まですべてを任せてもらった「タルトタタン」。お客さんにおいしいと言っていただいた時の感動は、今でもずっと残っています」と古賀総料理長。その純粋な信念は「シェ・イノ」の緻密に構築された一皿に歴史とともに宿る。

「料理を楽しむというのは、好奇心から。スパイスも怖がらずに、まずは使ってみることが大事です。自分がまずおいしいと思う料理を作れるようになること。その品数が増えるほど、多くの人に喜んでもらえますよ。」

SPICE

古賀純二総料理長のスパイス使い

古賀純二総料理長のスパイス使い

「スパイスはソースの色付け、煮込むときなど使い道はさまざま。例えばブラックペッパーでも上からかける時と煮込む時では感じ方も全く別物です。ドライハーブもよく使います。フォン(だし)を作るときに、フレッシュハーブを補うような形で煮込むと、香りの相乗効果が生まれるんです。」

STORAGE

厨房の一角に並べてストレージ

ディスプレイと収納を兼ねる収納

・コンロ周り・直射日光を避けて保管
・蓋にはスパイス名を追記

「GABAN® は『シェ・イノ』に入った当初から使用しているので、もう 30 年以上。そうなると分量によって味や香りの立ち方もイメージが湧くので、自分にとっては馴染み深い存在です。お店のメニューに使うものに加えて、まかない用に種類も揃えています。」

常備スパイス

パプリカ・カイエンペッパー・サフラン・ピンクペッパー・ローズマリー

常備スパイス

「パプリカやピンクペッパーはさっと振って仕上げの彩りに。サフランはソースにします。カイエンペッパーはまかないでカレーを作る時に。店のルールで、まかないではカレーでもあえてルウを使いません。スパイスを自由に組み合わせることで個性を掴みやすく、感覚が養われると思っています。」

教えてくれた人

古賀 純二

「シェ・イノ」総料理長

1964年生まれ。佐賀県出身。1984年、正統派フランス料理店として名高いグランメゾン「シェ・イノ」に入社。当時のオーナーシェフ井上旭氏のもとで修業を重ね、2006年シェ・イノの料理長に就任。2016年には、「現代の名工」受章。